
日本を訪れる外国人観光客が増える中、全国各地の自治体や観光事業者にとって、「外国人観光客にとって、本当に分かりやすく、訪れやすい観光地になっているか」を見直すことが重要になっています。
日本人にとっては当たり前の案内やサービスでも、アメリカ人をはじめとする外国人観光客から見ると、「分かりにくい」「情報が足りない」「どう利用すればいいのか分からない」と感じるケースがあります。
今回は、アメリカ人旅行者の視点から、日本の観光地で改善するとインバウンド対策につながりやすいポイントを5つ紹介します。
本記事は、日本で活動するネイティブ英語話者Matthew(マシュー)の訪日経験や、外国人旅行者とのコミュニケーションを通じた視点・経験をもとに構成しています。すべてのアメリカ人旅行者に当てはまるわけではありませんが、英語圏からの訪日観光客を受け入れる際の一つの参考としてご活用ください。

1.「日本人なら分かる」案内を、外国人にも分かる形にする
日本の観光地には、魅力的な場所が数多くあります。
しかし、外国人観光客にとって問題になるのが、「そこに何があるのか」だけでなく、「なぜそれを見る価値があるのか」が分からないことです。
例えば、日本人向けには、
- 歴史的な建造物
- 地域の伝統文化
- 地元で有名な祭り
- 郷土料理
- パワースポット
- 重要文化財
といった情報だけでも十分かもしれません。
一方、外国人観光客の場合、
「これは何なのか?」
「なぜ重要なのか?」
「どのように楽しめばいいのか?」
まで説明したほうが、観光体験につながりやすくなります。
「翻訳」だけでは不十分
ここで注意したいのが、単純な日本語→英語翻訳です。
日本語の文章をそのまま英訳すると、文法的には正しくても、外国人にとって魅力や意味が伝わりにくいことがあります。
例えば、
「江戸時代から続く伝統的な祭りです。」
だけではなく、
「This festival has been celebrated since the Edo period in the 17th century, and offers visitors a glimpse into a tradition that has been passed down through many generations.」
のように、外国人が理解しやすい「意味」まで伝えることが重要です。
インバウンド向け観光コンテンツでは、「翻訳」ではなく外国人向けの情報設計・ローカライズが必要なのです。
2.英語の観光案内を「読める英語」から「使える英語」へ
日本の観光地を訪れるアメリカ人旅行者にとって、英語案内の有無は非常に重要です。
ただし、英語の看板やウェブサイトがあれば十分というわけではありません。
重要なのは、「旅行者が実際に行動できる英語になっているか」です。
例えば、
- 営業時間
- 入場料
- 予約方法
- アクセス
- 駐車場
- 公共交通機関
- トイレ
- 支払い方法
- 休館日
- 混雑状況
- 写真撮影の可否
などが明確に分かる必要があります。
日本語サイトでは簡単に理解できる情報が、英語版では省略されているケースも少なくありません。
外国人観光客は「次に何をすればいいか」を知りたい
観光情報の英語化では、文章の正確さだけでなく、旅行者の行動をサポートすることが大切です。
例えば、
「駅から徒歩10分」
だけではなく、
“Exit the station via the East Exit and walk straight, keeping the convenience store on your right.”
など、外国人にも理解しやすい具体的な情報があると安心感が高まります。
英語を「情報の翻訳」ではなく「旅行者を案内するツール」と考えることが、インバウンド対応の大きな改善ポイントになります。
3.アクセス情報をもっと具体的にする
日本人旅行者にとっては簡単な移動でも、外国人にとっては難しいことがあります。
特に地方の観光地では、
「最寄り駅から徒歩○分」
だけでは十分でない場合があります。
外国人旅行者は、
- どの駅で降りるのか
- どの出口を利用するのか
- バスはどこから乗るのか
- 何番のバスなのか
- ICカードは使えるのか
- 現金が必要なのか
- バスはどのくらいの頻度で来るのか
- タクシーを利用できるのか
- Google Mapsで正しく検索できるのか
といった情報を必要とします。
特に地方観光では、「観光地そのもの」より「そこへどうやって行くか」が旅行者にとって大きなハードルになることがあります。
「行きたいけど、行き方が分からない」をなくす
外国人向けの観光サイトでは、
東京・大阪・京都などの主要都市から、目的地までどう移動するか
を説明すると非常に有効です。
例えば、
「東京から約2時間」
だけではなく、
「東京駅 → ○○駅 → バス → ○○観光施設」
というように、旅行者が実際の旅程をイメージできる情報にすると、訪問への心理的なハードルを下げることができます。
4.「外国人が何を求めているか」をもっと意識する
日本の観光地では、地域側が「見てほしいもの」を中心に情報発信しているケースがあります。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
しかし、インバウンド集客を強化するなら、
「私たちは何を紹介したいか」ではなく、「外国人旅行者は何を体験したいのか」
という視点も必要です。
例えば、外国人旅行者にとって魅力的なのは、必ずしも有名な観光施設だけではありません。
- 地元の市場を歩く
- 地域の食文化を体験する
- 農村を訪れる
- 地元の人と交流する
- 日本酒や焼酎について学ぶ
- 郷土料理を食べる
- 職人の仕事を見る
- 温泉文化を体験する
- 神社や寺の歴史を知る
- 自然の中でアクティビティを楽しむ
など、「日本の日常や地域文化を体験すること」そのものが観光資源になることがあります。
特に地方自治体にとっては、こうした「地域ならではの体験」を外国人向けに再編集することで、大都市圏との差別化につながります。
5.「外国人向けコンテンツ」を作って終わりにしない
最後のポイントは、外国人向けの観光コンテンツを作った後です。
英語版のウェブサイトを公開して、
「これでインバウンド対策は完了」
としてしまうのは非常にもったいありません。
重要なのは、
外国人旅行者が実際にその情報を見つけ、理解し、旅行先として選び、予約・訪問するところまでつながっているか
です。
例えば、
「○○市にはこんな観光地があります」
という情報だけでなく、
「アメリカ人旅行者なら、このような旅程で楽しめます」
という具体的な提案に変えることができます。
「観光情報」から「旅行商品」へ
例えば、
1日目:地域の歴史を体験
2日目:郷土料理と酒文化を体験
3日目:自然・温泉を楽しむ
といった形でストーリーを作れば、単なる観光施設の紹介から、旅行者が「ここに行ってみたい」と思えるコンテンツへ変えることができます。
アメリカ人旅行者に選ばれる観光地になるために
ここまで紹介した5つのポイントをまとめると、以下のようになります。
| 改善ポイント | 外国人旅行者にとってのメリット |
| ① 案内を分かりやすくする | 観光地の価値を理解しやすい |
| ② 使える英語にする | 実際の旅行行動につながる |
| ③ アクセス情報を具体化する | 「行けそう」という安心感が生まれる |
| ④ 外国人のニーズを考える | 地域独自の魅力を発見できる |
| ⑤ コンテンツを旅行につなげる | 「情報」から「訪問・予約」につながる |
そして、これらに共通するのは、「日本語を英語に翻訳するだけではなく、外国人旅行者の視点から観光情報そのものを見直す」ということです。

海外の目線で観光コンテンツを見直してみませんか?
「英語サイトを作ったものの、外国人に本当に伝わっているのか分からない」
「海外向けに情報発信しているが、問い合わせや予約につながらない」
「英語翻訳だけでなく、外国人目線で観光コンテンツを改善したい」
「自治体・DMOとしてインバウンド向けの情報発信を強化したい」
このような課題をお持ちでしたら、ネイティブ英語話者による観光コンテンツのチェック・英語ライティング・ローカライズを検討してみてはいかがでしょうか。
単なる翻訳ではなく、
「外国人旅行者にどう伝わるか」
「どんな情報が不足しているか」
「どうすれば訪問したいと思ってもらえるか」
という視点から、日本の観光地の魅力を海外向けに再構成することが、これからのインバウンド対策では重要になります。
自治体、DMO、観光協会、ホテル・旅館、観光施設、旅行会社など、外国人観光客向けの英語コンテンツや情報発信の改善をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
地域の魅力を「日本人には分かる情報」から、「外国人にも伝わり、行ってみたいと思ってもらえる情報」へ。
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