
海外観光客向けInstagramで、本当に必要なのは「翻訳」ではなく「伝わるコンテンツ」
インバウンド観光客を増やすために、Instagramを活用する自治体や観光事業者が増えています。
「日本語で投稿を作成し、それを英語に翻訳して海外向けアカウントでも投稿する」
一見すると、合理的な方法に思えます。
しかし、日本人向けに作ったInstagram投稿を、そのまま英語に翻訳するだけでは、外国人観光客に十分な魅力が伝わらないケースがあります。
なぜでしょうか?
その理由は、外国人旅行者が日本の観光情報を見るとき、日本人とは「知っていること」「興味を持つポイント」「情報の受け取り方」が異なるからです。
つまり、インバウンド向けSNSで重要なのは、単なる「日本語→英語」の翻訳ではありません。
日本の魅力を、外国人旅行者にとって理解しやすく、興味を持ちやすい形に変えること。
これが、インバウンド向けInstagram運用で重要なポイントです。
※本記事は、日本で活動するネイティブ英語話者Matthew(マシュー)の訪日経験や、外国人旅行者とのコミュニケーションを通じた視点・経験をもとに構成しています。

1.「正しい英語」と「外国人に伝わる英語」は同じではない
まず知っておきたいのが、
英語として正しい文章だからといって、外国人観光客にとって魅力的な文章になるとは限らない
ということです。
例えば、日本語の観光投稿で、
「歴史ある○○神社を訪れた後は、地元名物の○○をお楽しみください。」
という文章があったとします。
これを英語に直訳すると、
“After visiting the historic ○○ Shrine, enjoy the local specialty ○○.”
となるでしょう。
文法的には問題ありません。
しかし、外国人旅行者にとっては、
「なぜこの神社に行くべきなの?」
「この食べ物はどんな味なの?」
「自分の旅行にどう組み込めるの?」
という疑問が残る可能性があります。
日本人には当たり前に伝わる情報でも、外国人には背景情報が不足していることがあります。
そのため、インバウンド向けSNSでは、翻訳ではなく「伝え方のローカライズ」が必要になります。
2.日本人にとっての「当たり前」は、外国人にとっての「魅力」になる
日本の観光事業者が見落としやすいのが、「当たり前すぎて説明していない情報」です。
例えば、
- 畳の部屋
- 温泉の入り方
- 神社での参拝方法
- 商店街
- 地方の祭り
- ローカルな食文化
- 電車での移動
- コンビニ
- 地元の居酒屋
- 日本独自の季節行事
などです。
日本人にとっては日常的な光景でも、海外から来る旅行者にとっては非常に興味深い体験になることがあります。
逆に、日本人が「ここを紹介すれば喜ぶだろう」と考えたポイントが、外国人にはあまり響かないこともあります。
だからこそ、インバウンド向けInstagramでは、
「日本人が何を伝えたいか」だけではなく、「外国人旅行者が何を知りたいか」
という視点が重要です。
3.「翻訳」ではなく「外国人旅行者の視点」で投稿を作る
外国人向けのInstagram投稿を作成するときには、次のような質問を考えてみるとよいでしょう。
外国人旅行者は、この投稿を見て何を知りたいのか?
例えば観光スポットを紹介する場合、
「○○城は江戸時代から続く歴史ある城です。」
だけではなく、
- 何が見どころなのか
- どのくらい時間が必要なのか
- 写真を撮るならどこがおすすめなのか
- 周辺に何があるのか
- 東京・大阪など主要都市からどう行くのか
- どの季節がおすすめなのか
- 初めて日本を訪れる旅行者でも楽しめるのか
といった情報があると、旅行者にとって実用的な投稿になります。
つまり、
「翻訳する」のではなく、「旅行者が旅行先を選ぶための情報として再構成する」
ことが重要なのです。
4.Instagramでは「文章」だけでなく「見せ方」も重要
インバウンド向けSNS運用では、英語の文章だけを考えていてはいけません。
Instagramは視覚的なSNSです。
そのため、
写真・動画・キャプション・ハッシュタグ・投稿構成を一体として考える必要があります。
例えば、日本語版の投稿で使っている写真が、日本人には魅力的でも外国人には「何を見ればいいのかわからない」場合があります。
また、日本語版では、
「○○祭り開催!」
というタイトルで十分でも、海外向けには、
“Experience one of the region’s most traditional summer festivals.”
のように、旅行者にとっての体験価値を前面に出すほうが理解しやすい場合があります。
重要なのは、英語に置き換えることではありません。
「この写真を見た外国人旅行者に、何を感じてほしいのか?」
まで考えることです。
5.「日本語→英語」の直訳で起こりやすい5つの問題
日本語投稿をそのまま英訳する運用では、次のような問題が起こりやすくなります。
① 日本人にはわかる前提知識が抜けている
日本の歴史、文化、習慣を知っていることを前提にした文章は、海外の読者には伝わりにくい場合があります。
② 外国人にとってのメリットが伝わらない
「美しい」「有名」「歴史がある」と説明するだけでは、なぜ旅行する価値があるのかが伝わりにくいことがあります。
③ 不自然な英語になる
日本語の文章構造をそのまま英語にすると、文法的には正しくても、英語圏のSNSでは不自然に感じられることがあります。
④ CTA(行動喚起)が弱くなる
日本語投稿の「ぜひお越しください」を直訳するだけでは、外国人旅行者に具体的な行動を促せない場合があります。
例えば、
- Save this post for your Japan trip.
- Add this spot to your itinerary.
- Send this to someone you’d travel to Japan with.
など、SNS上で実際に使われる行動喚起を検討することもできます。
⑤ 海外ユーザーが検索・発見しにくい
外国人旅行者が使う検索キーワードと、日本人が考える英訳キーワードは必ずしも一致しません。
そのため、Instagram SEO(検索されやすいキーワード設計)という観点も重要になります。
6.ネイティブ英語話者の視点が役立つ理由
では、なぜネイティブ英語話者によるチェックやコンテンツ制作が重要なのでしょうか?
単純に「英語が得意だから」ではありません。
ネイティブ英語話者は、英語として自然かどうかだけでなく、
- この表現はSNSで自然に見えるか
- 海外の旅行者に意味が伝わるか
- 日本人には自然でも外国人には違和感がないか
- どの情報が不足しているか
- どこを面白いと感じる可能性があるか
- 旅行者に行動してもらうにはどう伝えるか
といった観点から投稿を見ることができます。
特に、「日本人が説明したいこと」と「外国人が知りたいこと」のギャップを見つけることが重要です。
7. インバウンド向けInstagram運用で見直したいチェックポイント
現在、日本語投稿を英訳して海外向けInstagramに掲載している場合は、次の項目をチェックしてみてください。
投稿内容
□ 外国人旅行者が知らない可能性のある情報を説明しているか?
□ 「なぜここに行くべきなのか」が伝わっているか?
□ 日本人向けの前提知識に頼りすぎていないか?
英語
□ 直訳ではなく、英語圏のSNSで自然な表現になっているか?
□ 外国人旅行者が実際に使う言葉を意識しているか?
□ Google翻訳などで日本語をそのまま英訳した文章になっていないか?
Instagram SEO
□ 外国人旅行者が検索しそうなキーワードを使用しているか?
□ キャプションだけでなく、プロフィールや投稿全体のキーワード設計ができているか?
□ 地名・観光スポット名・地域名などが英語で適切に表記されているか?
集客
□ 投稿を見た後に、ユーザーに何をしてほしいのか明確か?
□ Webサイト、予約ページ、観光施設などへの導線があるか?
□ 「保存」「シェア」「フォロー」など、Instagram上の行動を促しているか?

インバウンド向けInstagramの英語発信でお困りではありませんか?
「外国人向けにInstagramを運用したいけれど、何を投稿すればいいかわからない」
「日本語投稿を英訳しているが、海外ユーザーからの反応が少ない」
「英語は書けるが、外国人旅行者に響く表現になっているかわからない」
「自治体・DMOとして海外向けSNSを強化したい」
「宿泊施設・観光施設への外国人集客を増やしたい」
このような課題がある場合、必要なのは単なる翻訳ではなく、インバウンドマーケティングと英語圏向けSNSコンテンツ制作の両方を考えた運用かもしれません。
外国人旅行者に「伝わる」だけでなく、「行ってみたい」「保存したい」「誰かにシェアしたい」と思ってもらえるInstagramへ。
日本語投稿の英訳だけではない、外国人旅行者目線のSNS運用を検討してみてはいかがでしょうか。
自治体・観光協会・DMO・宿泊施設・観光事業者の皆様で、インバウンド向けInstagramの運用や英語コンテンツ制作についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
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